金曜時代劇 『宝引の辰捕者帳』 [テレビの棚]
「ビデオに録っておけばよかったよ」と思うTV番組其の弐。 夜光亭の一夜 (宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選) (創元推理文庫)
NHKの金曜時代劇シリーズ、というと人気があったのか、
『腕におぼえあり』がシリーズを重ねて放映されたみたいだけれども、
私は『宝引の辰捕者帳』が好きでした。シリーズ化されず残念です。
原作は泡坂妻夫。
文藝春秋で単行本で出た後、文庫でシリーズが刊行されています。
単行本の最新作は2004年刊行の『鳥居の赤兵衛』。
ドラマにはこのシリーズに加え「夢裡庵先生捕物帳」シリーズの要素も
入っている、ということです。
テレビの放映は1995年。
宝引の辰に小林薫。おかみさんが萬田久子。
辰の気の置けない同心役能坂要に渡辺いっけい。
辰の父に小林桂樹、その他西島秀俊や石倉三郎等
知った顔の役者が結構出ています。
そして、音楽がかのサックス奏者本多俊之。
これがよかったんです。エンディングは『夢一夜』。♪ゆ～め～ひ～と～よ～
今でもそのサビは覚えているなぁ。
事件が解決したあと、その回のお題にそった
川柳を詠みあげます。必殺シリーズで主水が
奥さんや母上にこちゃこちゃ言われるおきまりシーンの存在ような、
そんな決まった締め方があるのが時代劇っぽくて
まぁ、それだけが理由ではないのですが、
シリーズ化するにはいい作品である気がするんだけどなぁ。
10年経ってしまったからなぁ。
一度、本放送の何年後だったかに再放送してしまっています。
それを気付いたのが遅く、また当時録画できるビデオが一人暮らしの部屋に
なかったために、録っておくことができなかった……。
また再放送するという可能性はうすいでしょうね……。
この作品はビデオにもDVDにもなっていないので、
今となっては作品を振り返ることもできず、
具体的に何がどう面白かったか、と言われるとちょっと説明ができないのが残念。
でも、すごくすきだったのだけは覚えています。
一つのシリーズが終わって次のシリーズ予告の時に、毎回別な作品
が紹介されると、なんで他の作品は２とか３になるのに辰はならんのじゃ！
とテレビの前で怒ってました。一般的にはうけなかったということでしょうか。
原作は意外にも前の方の作品が文庫でも品切れのものがあるらしく、
残念ですね。夢裡庵先生捕物帳に関しては、今年初めに出た文庫『飛奴』
以外はだいぶ前から品切れです。
私も『からくり富』と『びいどろの筆』は古本屋に立ち寄るたびにチェックして
手に入れるまでに結構かかりました。
事件一つ一つが小品になっているので、読みやすいと思います。
気になった方は一読を。
○原作データ
文庫（文藝春秋）→宝引の辰捕者帳
『鬼女の鱗』
『自来也小町』
『凧をみる武士』
『朱房の鷹』
単行本（文藝春秋）→宝引の辰捕者帳
『鳥居の赤兵衛』
文庫（徳間書店）→夢裡庵先生捕物帳
『びいどろの筆』
『からくり富』
『飛奴』
2008年の追記。
その後、CSチャンネルで再放送され、全話を見ることができました。
やっぱり好きです、この作品。
具志堅ティナさんとか今どうしてるんでしょう。かわいかった。
また、『鳥居の赤兵衛』も現在では文春文庫化されています。
2024年の追記：
ほんとの最後は文春文庫にはなっていませんが、単行本が出ています。
また、よりぬきが東京創元社から文庫で出ています
そして、さらに別の版元も作品を発表順でまとめて出したようです。
そして、夢裡庵先生も、徳間書店が出しなおしているようです。
ここまで興味を持たれる方がいるかわからず書いていませんでしたが、月刊ドラマ1995年4月号にドラマの第1話の脚本が載っています。松平繁子氏脚本。
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